お城について

お城というのは「防御のための軍事施設」です。
ここには、守るための工夫やノウハウが凝縮されています。

その一例が、下図のような「虎口」です。
(図はWikipediaより引用)

出入り口の位置をずらしたり、もう一つ門を作ったりすることにより、
寄せ手の勢いを削ぎ、さらに2方向・3方向から侵入者を攻撃できます。

・平入り虎口(ひらいりこぐち)
 大軍で押し寄せた寄せ手を正面から防ぐことになり守備側に不利。
 平入り虎口 

・喰違虎口(くいちがいこぐち)
 寄せ手はZ字に進まざるを得ず、さらに側面からの攻撃も受けやすくなる。
 喰違虎口 

・枡形虎口(ますがたこぐち)
 1番目の門を突破しても2番目の門に阻まれ、枡形内部で守備側の攻撃を全面に浴びる。
 枡形虎口 


OSMに感じた違和感

私がOSMを知って間もないころ、何気なく大阪城を眺めていると違和感を感じました。
下の赤丸の部分です。
違和感1

この歩行ルートは、現地では何らかの障害物によって曲がらされたはずです。
でも、地図の上では、何もないところで不意に方向転換しているように見える・・・
これではただの不審者ですよね?(^^;

そこで、石垣・塀・高低差などを、なるべく詳細に描くことで、
お城が持つ防御ノウハウを再確認できるのではないかと考えました。

その成果が下図です。
違和感2

私の違和感は見事に解消されました。

それ以来、私は、天守閣そっちのけで、
石垣や塀などの構造物をマッピングすることにハマってしまっているというわけです。